キャンピングカーならどれでも、在宅医療機器を使えるのだろうか?

こんにちは!聖マリア病院、新生児科チーフの前野です。

在宅医療ケア児のキャンピングカー使用。
前回実験をしてみて、とりあえず自分のキャンピングカー、バンテック社製のコルドリーブスでは在宅医療機器が動くのが確認できた。




ただし、キャンピングカーさえあれば、どれでも大丈夫、ということではないだろう。

キャンピングカーにも色々ある

在宅医療機器を安全に動かすためには、どのような車であれば良いのだろうか。


バンタイプのもあれば、まさにキャンピングカーという形(キャブコン)もある。

新しい機種もあれば、かなり古い中古のものもある。軽トラックの軽キャンも最近は人気だ。



どれぐらいのバッテリー容量があれば良いのか?

電気系統の機能的にも、それぞれ差があるだろう。

これは、専門に聞いてみないことには分かりそうにない。

 

キャンピングカー屋さんに聞いてみた

自分が最初に中古のキャンピングカーを買った、鳥栖のフジカーズ。

ここならたくさんの車種や中古車なども扱っているので、詳しいことが分かりそう。

アポイントを取って、ITIの富野さんと2人で訪問。

私たちの考えを説明して、意見を聞いてみた。

 

思っていた以上に課題あり

1時間ぐらい、色んな疑問点に丁寧に、解説してもらえた。

結果、、、うーん、これはなかなか難しいぞ、、。

中でも、特にキーになるのは、充電のシステムと、オルタネーターか。

 

素人の自分たちには、この充電のシステムとか、オルタネーターなどの知識、概念が全く無かった。


まずは、充電のシステム

自分のコルドリーブスで実験して、大丈夫と思っていたのだが、この車の充電システムは、新しい少し特殊なものだった。

前にも説明した通り、キャンピングカーで電気製品を動かす時には、サブバッテリーという蓄電池に充電された電気を使う。

エンジンをかけると、車を運転するのに必要な電気の残りを使って、このサブバッテリーを充電してくれる。これを使うわけだ。





自分のコルドリーブスについているシステムは、とても有効にサブバッテリーに充電できる新しいシステムだった。なので、アイドリングぐらいでも、電気機器を使いながらでも、あまればさらに充電してくれるぐらいだった。

 

ところが、多くの車では、かなりしっかり走ってエンジンを回していても、サブバッテリーの充電には時間がかかる。アイドリングぐらいでは、電気製品を使っていると、バッテリーはどんどん減ってくる。

 

つまり比較的新しい車種の、しかも、特殊なシステムがついているものでないと、実際に、災害時に避難した先で、数日間使うのは難しそう。

 

あとは、オルタネーター。

最初聞いた時は、なにそれ?状態

要するにエンジンについている発電機。これが十分ないと発電量が足りない。




そして、その発電量は、実はあまり大きくなくて、余裕がない。在宅医療機器を使って、その他の生活に必要な電気機器を使って、を全部供給しようとすると、足りない可能性がある。

さらに、このオルタネーターは、発電量が大きいものに変えることはできない!

なので、今回のような在宅医療機器を、ギリギリの発電量で動かすのは、ちょっと危ないのでは?と言われた。

もし足りなくなって動かなくなると、命に直接関わってしまう!

 

災害時には長期間の電源確保が必須

たくさんの意見を聞けて良かったのだが、富野さんと2人で、若干、意気消沈して帰って来た。

やっぱり、これはクリアしないといけない課題がたくさんありそう。

発電量が足りない。

これに対しては、自動車のサブバッテリーのみに頼れない。もし足りなくなった時の為に、バックアップの電源を必ず用意しておかないと。

つまり、発電機か、蓄電池か。ある程度の時間、電気を供給できる電源を同時に積み込んでおく必要がある。

どの電源が実用的なのか。どれぐらいの時間、バックアップできるのか。

色々試してみないと、、。

 

電源のシステムは、

どんな電源のシステムが理想的なのだろう。新しいシステムで、オルタネーターの問題点を克服できたりしないのだろうか。

これも、いくつかのメーカーに直接聞いてみないと分からなさそう。

 

と言うことで、

まずは、発電機、試してみよう、と準備を進めることになった。

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